
歯は全身の健康に影響を与える大切な部位です。
歯並びが悪いと、見た目が気になりやすいのはもちろん、むし歯や歯周病のリスクが高まることはよく知られています。
さらに、食べ物をしっかり噛めないことで胃腸への負荷が高まり、消化器系の病気につながるリスクも高まります。
そして、特に注意すべき影響として挙げられるのが、口腔がんのリスクです。
今回は少し怖いテーマですが、歯並びと口腔がんの関係性についてお話します。
まずは、口腔がんの基本的な性質について見ていきましょう。
口腔がんとは、口の中にできる悪性腫瘍の総称です。
主な発生部位としては、舌、歯ぐき、頬の内側、硬口蓋(口の天井部分)、口腔底(舌と下の歯ぐきの間)があり、もっとも多いのは舌にできる「舌がん」です。
すべてのがんと比較すると、口腔がんの患者数はとても少なく、めずらしいがんの1つとされています。しかし、日本における口腔がんの患者数は、やや増加傾向にあります。
数年前までは年間5,000人~8,000人の間で推移していたところ、近年では1万人を超えてきているのが現状です。
増加の主要原因は高齢化ともされていますが、アメリカと比べて日本は口腔がんの死亡率が高く、決して無視できる変化とは言えません。
口腔がんの原因はまだ解明されていない部分もありますが、多くのがんと共通しているのは喫煙や飲酒の習慣です。
それに加えて、未治療のむし歯や歯並びの悪さなども原因として考えられているのが大きな特徴です。
たとえば、舌は外部刺激に対して敏感であり、長期にわたる継続的な刺激が、がんの発症を引き起こすケースも知られています。
「歯並びが悪い」
「入れ歯が合わない」
「詰め物や被せ物がぶつかっている」
などで、舌に慢性的な刺激が加わっていると、結果としてがんのリスクは高まってしまうでしょう。
そのため、日頃から丁寧に口腔ケアを行い、清潔な状態を保っておくことも重要なリスク管理となります。
口腔がんは内臓や循環器などのがんと比べると、本来は発見しやすい部位のがんとされています。
しかし、がんの存在や特徴自体があまり知られておらず、発見機会が少ないだけに、気が付けば進行しているというケースも少なくありません。
ここでは、早期発見の重要性と初期症状の特徴について解説します。
口腔がんもその他のがんと同様、できるだけ早期発見することが重要となります。
ステージ1で見つかった場合の5年生存率は95%近くに達しているのに対し、ステージ4では50%前後と大きく下がります。
また、口腔がんは手術によって、咀嚼や発音、顔貌などにも大きな影響が出てしまうのが難点です。
その度合いは、進行度によって大きく変わってしまうと考えられています。
そのため、がんの影響を小さく留めるためには、何よりも早期発見できるかどうかが重要となります。
公益社団法人 日本歯科衛生士会によれば、口腔がんの自覚症状でもっとも多いのが、口腔内の痛みとされています。
しかし、初期段階では痛みが少なく、ハッキリと自覚できる頃にはすでに進行してしまっているというケースも少なくありません。
そこで、気になる場合は以下のポイントを踏まえて、口腔内を観察してみることが大切です。
| ・なかなか治らない腫れ ・しこりがある ・粘膜が赤くなったり白くなったりしている ・2週間経っても口内炎が治らない ・舌や頬の動きが悪い、食べ物を飲み込みにくくなった、痺れや麻痺がある |
口腔内は自分でも観察できるため、日頃からこまめに自身の状態を確かめ、気になる要素があれば専門的な診察を受けることも大切です。
まとめ
今回ご紹介したように、合わない入れ歯や詰め物、歯並びの悪さによっても、口腔がんのリスクが高まる可能性があります。ご自身の歯の形に合った治療を受け、歯ぐきや舌に無用な刺激を与えないことが、重要な予防になると言えるでしょう。
また、歯並びを整えたり、かみ合わせの治療を行ったりすることも大切です。当院では完全個室でのカウンセリングにより、患者さまお1人おひとりの口腔状態やお考えに合わせ、納得のいくアプローチを探っていくことを大事にしています。
「現在受けている治療に疑問を感じている」「入れ歯が合っていない気がする」という方は、ぜひ『ザ・デンティスト南青山』までご相談ください。
院長:奥 桃太郎
当院では、保険適用外の治療のみを行っています。 あらかじめご承知おきください。
※初診の際は、ご予約の時間より少し早めにご来院ください。
院内感染防止について細心の注意をはらっております。
安心して治療を受けていただくために治療機器の滅菌処理はもちろんのこと、院内全体に除菌水(EPIOS ECO SYSTEM)を導入しています。