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Director's diary 院長ダイアリー
2025.09.22

デンタルフロスはなぜ重要?歯間ブラシとの違いや選び方・使い方をご紹介

「Floss or Die」(フロス・オア・ダイ)
これは、1998年にアメリカ歯周病学会が発表した、とてもインパクトのあるキャッチフレーズです。

歯周病の恐ろしさを訴えるとともに、予防にデンタルフロスが役立つことを示した強烈なメッセージとも言えるでしょう。
今回はデンタルフロスの重要性や選び方・使い方をまとめてご紹介します。

歯ブラシだけでは不十分?デンタルフロスの重要性

まずは、デンタルフロスの重要性について見ていきましょう。

■歯ブラシだけで落とせる汚れは60%程度

実のところ、歯ブラシのみで落とせる汚れ(プラーク)は、全体の「約60%程度」ともされています。歯ブラシは大きな面を磨くのは得意ですが、小回りが利かないため、歯のすき間や裏側にはどうしても汚れが残ってしまいます。

そこで、歯ブラシだけでは取り切れない汚れは、デンタルフロスでフォローする必要があります。デンタルフロスや歯間ブラシを組み合わせることで、90%近くのプラークが除去できるとされています。

■デンタルフロス・歯間ブラシの使用率は50.9%まで上昇

ひと昔前は、自宅での口腔ケアにデンタルフロスや歯間ブラシといった「歯間部清掃用器具」が用いられるケースはそれほど多くありませんでした。
たとえば、厚生労働省が1999年に行った調査では、歯間部清掃用器具の使用率は24.4%となっています。

しかし、近年では口腔ケアへの関心度が高まっていることもあり、使用される方は格段に増えているのが現状です。
厚生労働省が2022年に行った「歯科疾患実態調査」では、実に50.9%の方が「歯ブラシでの歯みがきに加えて歯間部清掃を行っている」と回答しています。

この結果を見る限り、歯間部清掃はセルフケアのスタンダードになりつつあると言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「平成11年 保健福祉動向調査の概況 歯科保健」)

(出典:厚生労働省『令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要』)

デンタルフロスと歯間ブラシの違い

ここからは、実際に歯間部清掃用具をどのように選んでいけば良いのかを解説します。まずは、デンタルフロスと歯間ブラシの違いについて見ていきましょう。

■歯間ブラシは広いすき間や被せものの内側に使う

歯間ブラシとデンタルフロスの最大の違いは、清掃部の太さです。歯間ブラシのほうが先端部が太くできているため、より広いすき間や被せものの内側といった箇所の清掃に適しています。

■デンタルフロスは狭いすき間や奥歯に使う

デンタルフロスは清掃部が細いため、歯間ブラシが入りにくいような狭いすき間の掃除に適しています。歯と歯のすき間や歯周ポケットの中などは、無理に歯間ブラシを使うよりも、デンタルフロスのほうが安全にアプローチできるでしょう。

デンタルフロスの選び方

普段あまり意識されることはありませんが、デンタルフロスにはさまざまな種類があります。
選び方のポイントとしては、「形状」「素材」「ワックスの有無」の3つが挙げられます。

形状の違いを把握する

デンタルフロスの形状には、「ホルダータイプ」「ロールタイプ(糸巻きタイプ)」の2種類があります。
ホルダータイプは持ち手がついているのが特徴で、形状によってF字とY字の2種類があり、やや異なる性質を持っています。

■ホルダータイプ(F字)

・前歯の歯垢除去に向いている

・初心者でも扱いやすい

■ホルダータイプ(Y字)

・奥歯の歯垢除去に向いている

・初心者でも扱いやすい

ロールタイプはケースに収納された状態で市販されており、フロスを適当な長さで切り取り、指に巻き付けて使用します。

■ロールタイプ

・指に糸を巻き付けて使用する

・扱いにはコツがいるがコスパがいい

・慣れれば前歯にも奥歯に使用できる

まずはこれらの違いと特徴をおさえて、用途や状況に合ったものを選ぶことが大切です。

素材の違いを把握する

デンタルフロスの素材には、「ナイロン」「ポリエステル」「ポリエチレン」の3種類があります。

それぞれに少しずつ特徴が異なるので、自分に合ったものを見つけることが大切です。

ワックスの有無に着目する

デンタルフロスには、糸にワックスが塗られているものと、そうでないノンワックスのものがあります。
ワックスが塗られているものは、フロスの滑りが良いため、歯間への出し入れがしやすいのがメリットです。

一方、ノンワックスタイプは繊維が広がりやすくなるため、汚れを絡めとりやすくなるのが強みです。こだわりたい方は、ワックスの有無による違いにも目を向けてみるとよいでしょう。

デンタルフロスの使い方

デンタルフロスは細かなところもキレイにしてくれる便利なツールですが、使い方を誤れば歯や歯肉を傷つけてしまう恐れもあります。
ここでは、デンタルフロスの正しい使い方について見ていきましょう。

■垂直ではなく少し斜めに傾けてゆっくりと入れる

歯と歯のすき間が狭く、きつく感じられる場合も決して力任せにフロスを入れようとすべきではありません。
真上から垂直に入れるのではなく、少し斜めに傾けて、前後にゆっくりと動かしながら滑り込ませていくのがコツです。

■手前の歯の歯肉に隠れるくらいまで糸を入れる

デンタルフロスを使うときには、ポケットの底まで深く糸を入れることが大切です。
手前の歯の歯肉の中に隠れるくらいまで入れ、手前の歯面に沿わせて汚れをゆっくりと掻き出しましょう。

■歯みがき前がおすすめ

デンタルフロスのタイミングについてはさまざまな考え方がありますが、基本的には「歯みがきよりも先」に行うことが推奨されています。フロスで歯のすき間の汚れを掻き出してから、歯ブラシで全体を満遍なくキレイにしましょう。

まとめ

デンタルフロスをきちんと使えれば、口臭や歯周病の予防につながります。
しかし、使い方を誤れば歯ぐきを痛めてしまう恐れもあるため、正しい選び方と使い方を知っておくことが大切です。

また、すでに歯石の付着や歯周病の進行が見られる場合は、先に歯科医院で適切な治療を行う必要があります。当院では多様な治療方法をご用意しており、ストリークレーザーを用いた「歯の歯質強化」や「口臭治療」なども行っています。

カウンセリングも受け付けておりますので、口腔ケアが気になっている方は、ぜひ『ザ・デンティスト南青山』までご相談ください。

院長:奥 桃太郎


当院では、保険適用外の治療のみを行っています。 あらかじめご承知おきください。

※初診の際は、ご予約の時間より少し早めにご来院ください。

Clean & Safe

院内感染防止について細心の注意をはらっております。
安心して治療を受けていただくために治療機器の滅菌処理はもちろんのこと、院内全体に除菌水(EPIOS ECO SYSTEM)を導入しています。

ザ・デンティスト 南青山

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