「歯がしみるかも…」と感じたら、少しでも早くその原因を特定し、適切に対処することが大切です。
歯が痛む原因として、すぐに思い浮かぶのは「むし歯」ですが、知覚過敏による可能性も十分に考えられます。
両者のメカニズムは全く異なるため、正しく原因を見極めなければ、知らず知らずのうちに症状が進行してしまうケースもあります。
今回は知覚過敏とむし歯の違いや、知覚過敏の治療法について見ていきましょう。
知覚過敏とは、そもそもどのような症状なのでしょうか。
ここでは、むし歯との違いも含めてご紹介します。
知覚過敏とは、何らかの原因で歯の「象牙質」と呼ばれる組織が露出し、そこから神経に刺激が伝わって痛みを感じるという症状です。
通常の歯は、刺激に強い「エナメル質」という組織に覆われており、神経まで刺激が届かないように守られています。
しかし、何らかの原因で象牙質がむき出しになると、細い管を通って神経まで刺激が伝わり、歯がしみたり痛みを感じたりしてしまうのです。
そのため、知覚過敏は「象牙質知覚過敏」という正式名称で呼ばれています。
多くの場合、歯みがきをしたときや冷たいものを食べたときなどに歯がしみると感じ、痛みそのものは瞬間的です。
そのため、見過ごされてしまうことも多いのが特徴といえます。
■むし歯との違い
むし歯は細菌(むし歯菌)感染が原因で引き起こされる病気です。
知覚過敏とのもっとも大きな違いは、「痛みが慢性的であること」「進行していくこと」にあります。
むし歯の場合、症状が進行すればそれだけ穴が神経に近づいていくため、痛みの度合いも強くなっていきます。
最終的には何をしていなくても痛みが持続し、耐えられないと感じられるまで進行してしまうのがむし歯の大きな特徴です。
ただし、むし歯があまりにも進行すれば、神経が失われてしまい痛みを感じないケースもあります。
一方、知覚過敏の痛みは一過性のものであり、日によってバラつきが生じることも少なくありません。
そのため、まずは「痛み方」が両者を見極める手がかりとなります。
それ以外にも、それぞれの違いを表にまとめたので、参考にしてみてください。
前述のように、知覚過敏は象牙質が露出することで起こりますが、それでは象牙質が露出してしまうのにはどのような原因があるのでしょうか。
主な原因としては、次のようなものがあげられます。
1. 強い歯ぎしりや食いしばり 2. 酸によるエナメル質の溶解 3. 誤った歯みがき 4. 詰め物・被せ物の影響 5. 歯周病(歯槽膿漏) 6. 加齢による歯茎の下がり |
大きく分類すれば「エナメル質が傷つくパターン(上記の1〜4に該当)」と、「歯茎が下がるパターン(上記の5〜6に該当)」の2つのケースがあります。
エナメル質が傷つくパターンについては、比較的に若い世代でも起こりやすいため、日々のブラッシングや食習慣に注意が必要です。
食後すぐの歯みがきはNG? レモンやコーラ、梅干、ワインといった酸性度の高い食べ物は、エナメル質を溶かしてしまう働きがあります。 その状態のまま硬い歯ブラシで歯を磨くと、エナメル質が削れてしまう恐れもあるのです。 まずは水やお茶を飲んで中和し、歯みがきは「30分程度」置いてから行うのが歯に優しい習慣といえるでしょう。 |
実のところ、歯には再石灰化する力が備わっているため、軽度の知覚過敏であれば自然治癒する可能性もあります。
進行が軽いケースなら、知覚過敏防止用の歯みがき粉で適切なブラッシングをすれば、1〜2週間程度で効果が表れることもあります。
しかし、一定以上進行した知覚過敏の場合は、残念ながら自然に治ることはありません。
日によって痛まないこともありますが、“象牙質の露出”という根本の原因が解消されるわけではないのです。
また、痛みが一過性であることから、自分で進行度合いを確かめるのも難しい面があります。
そのため、歯がしみると感じたら、できるだけ早く歯科医院で診てもらうのがおすすめです。
それでは、歯科医で知覚過敏を診てもらうと、実際にどのような治療が行われるのでしょうか。
象牙質の露出にはさまざまな原因が存在するため、基本的にはその根本要因を突き止め、適切な対処をしていくこととなります。
ここでは、当院における主な治療法をご紹介します。
軽度の場合は、知覚過敏用の塗り薬を症状が出ている歯に塗布していきます。
表面に薄い皮膜を作ることで、象牙細管への刺激を遮断する仕組みであり、治療としては比較的にシンプルな方法です。
噛み合わせの異常が生じていると、噛んだときの力が一部の歯だけに集中してしまい、エナメル質が損傷するケースがあります。
この場合は、噛み合わせを見直し、負荷が均等に分散されるように整える必要があります。
中等度やひどい知覚過敏の場合は、対象の歯にストリークレーザーを照射することで、痛みの原因を完治・緩和させる治療を行います。
レーザーといっても余計な歯質が削られる心配はほとんどなく、痛みも少なく麻酔の必要がないため、ストレスを感じにくいのがメリットです。
また、レーザーが当たった象牙質は硬く強化されるため、再発およびむし歯になりにくい歯になるのが大きな利点です。
この治療は、主に次のような方に適していると考えられます。
・他院で知覚過敏の治療をしたが、まだ痛みがなくならない ・神経を抜かなければならないと言われてしまった |
なお、当院ではレーザーを用いるため、治療は保険適用外となります。
歯周病が原因で知覚過敏が発症している場合は、痛みの処置とともに歯周病の治療をする必要があります。
歯周病の治療にはある程度の時間がかかるため、定期的に通院するのが一般的です。
知覚過敏の痛みはむし歯と違ってすぐになくなるため、気に留められないケースも少なくありません。
しかし、歯の痛みにはさまざまな原因が隠されているため、できるだけ早いタイミングで歯科医に診てもらうことが大切です。
当院では患者様とのカウンセリングを丁寧に行い、痛みの原因をじっくりと突き止めたうえで、適した治療法を提案させていただくシステムをとっています。
“完全個室”なので周りに気を遣うことなく、納得がいくまでご相談を伺えます。
気になる症状や痛みがある方は、ぜひ『ザ・デンティスト南青山』までお気軽にご相談ください。
院長:奥 桃太郎
当院では、保険適用外の治療のみを行っています。 あらかじめご承知おきください。
※初診の際は、ご予約の時間より少し早めにご来院ください。
院内感染防止について細心の注意をはらっております。
安心して治療を受けていただくために治療機器の滅菌処理はもちろんのこと、院内全体に除菌水(EPIOS ECO SYSTEM)を導入しています。